日本労働弁護団ブログ

日本労働弁護団のブログです。 日本労働弁護団は、労働者・労働組合の権利擁護を目的に活動する弁護士の団体です。 現在会員は全国1700名程度です。

カテゴリ: 活動報告

解雇自由法制に反対する皆さまの声をお寄せ下さい !

現在、厚生労働省では、「『日本再興戦略』改訂2015」及び「規制改革実施計画」に基づいて設置された「透明かつ公正な労働紛争解決システムの在り方に関する検討会」において、解雇の金銭解決制度の導入を検討しています。

日本労働弁護団は、不当解雇をなくすための取り組みが急務であること、不当解雇の被害に遭った労働者の職場復帰への道が確保されるべきことから、解雇の金銭解決制度の導入を阻止するための取組を進めています。

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制度導入を阻止するためには、多くの皆さまの声を世に伝えることが不可欠と考え、これに反対する当事者の声を集約する事にしました。多くの皆さまお声を伝えるため、ご協力よろしくお願いします。

集まった手記は、検討会の委員に提出するなど活用したいと思います。12月末を一次締め切りとしています。

詳細は、ホームページをご覧ください。

日本労働弁護団ホームページ

12・4「解雇自由法制に反対する働く者の決起集会」は200名の参加で盛況でした。ナショナルセンターを超えて労働組合からの幅広い参加があり、また、解雇を撤回させて復職した労働者や、不当な解雇を受けて今まさに闘っている労働者などからの熱い発言が続きました。

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集会の概要を以下に掲載します(菅常任幹事まとめ)。


*解雇の金銭解決制度の導入が狙われている。
*閣議決定に基づいて、厚労省のもとで研究会がスタートした。

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*研究会での、金銭解決制度の導入賛成論者は、八代氏と鶴氏がツートップ。

*八代氏は、金銭解決制度を入れるのでなければ、こんな研究会は意味がない、ヒアリングなどに時間を費やしている場合ではない、と前のめり。しかも、八代氏は「労働者申立に限る」とは一言も言わない(・・・侮れない。)。八代氏は、解決金の上限と下限を定めるべきと主張(・・・その狙いは、解雇のコストを明確に計算するため。上限額を決めてしまえば、その解雇が違法だろうとなんだろうと、マクロでいくらお金を準備すればよいかが判断できる。それが彼らのほしい「透明性」のある紛争解決制度。日本をもっとも企業が活動しやすい国にするため。外資の参入を呼び込むため。ミクロの世界(そこで働いている人の人権)は度外視。)。

*鶴氏は、「労働者に多様な選択肢を与える」、そのために「労働者申立に限る」とまやかしを言っている(・・・実際は、労働者申立に限ったとしても、労働者側に選択肢が増えるのではなく、使用者側に選択肢が増えることになる。違法な解雇であっても、とりあえず解雇してしまってあとは労働者の対応に委ねるという選択肢を使用者に与えることになるのだから。「解雇への抵抗感をなくす」「解雇のハードルを低くする」のが導入の本当の狙いであり効果である。)。
*違法な解雇をされても裁判でそれを争える労働者は一握り。まして、なけなしの解決金で満足せず、復職をめざしバックペイ満額+将来賃金を確保するため頑張り続けられる労働者はもっと少ない。
*しかし、鶴の主張は、一見、労働者の利益になるように見えるので、これも侮れない。どうせNHKあたりは、鶴のいうとおりに、まやかしの宣伝を垂れ流すだろう。

*金銭解決制度の導入の狙いは、解雇ルール(解雇権濫用法理=労契法16条)の破壊である。なので、「解雇自由化」と表現している(・・・この表現がウケているかどうかは別)。
*解雇撤回闘争は、労働者・労働組合にとっては、人間性の回復を求めるたたかいであり、職場や業界を変える(人間性が尊重される職場・業界づくりの)とりくみだった。
*この制度が導入されると、解雇撤回闘争が様変わりしてしまうだろう。
*「とりあえず解雇」をされた労働者(マタハラ解雇だったり、ロックアウト解雇だったり、とにかくひどい)が、解雇の効力を争うために、どれほど苦労しているか。労働弁護士はよーく知っている。

*鶴は、金銭解決の相場を調査すべきと主張(・・・解雇無効の事案と有効の事案があるのに、一緒くたにして平均の解決金相場をはじき出しても意味がない。)。荒木座長は、「なにがわかって、なにがわからないかを知ることにも意味がある。慎重に検討する」と約束して、調査はやることに。
*八代氏は、ヒアリングなんかやっている場合ではないといったが、荒木座長はヒアリングはやることになっていますと。

*経営側にも、矛盾がある。
*中小企業の経営者は、金銭解決の「下限」が設けられることには大反対。
*経営法曹でも、「労働審判制度があるから十分」「使用者側申立がないなら、そんな制度はほしくない」と反対論が多い。
*しかし、閣議決定があるというのは、まったく侮れない。参議院選挙後に動く危険性が高い。
*参議院選挙が、きわめて重要である。

*労働弁護団は、労働組合のみなさんと協力して、解雇や退職強要を許さず、復職を果たしたり、地位継続をかちとった実例を集める。
*我が国ではたらく労働者にとって、解雇ルールが瞳のように大事な存在であることを明らかにし、金銭解決制度の導入を阻止するために頑張る。
※ニュース記事↓
https://www.bengo4.com/roudou/1099/1225/n_4029/

「自衛隊員と家族・恋人のための安保法案緊急相談」に寄せられた、自衛隊員の家族からの相談内容をご紹介します。


●息子のことが心配である。安保法制には大反対。反対の声を大きな声で伝えてほしい。新聞記事を切り取って、息子が実家に帰ったときに見せている。国会前にも行きたいが、イラク派兵の時には身辺調査が行われているということを聞き、気になっていた。自分も国会前に行っても大丈夫でしょうか(だいじょうぶでしょう)。自衛隊員の子どもがいて、賛成する親はいないと思う。

●安保法制が成立するのではないかと大変心配である。息子は、口を閉ざしてあまり話したがらない。ただ、最近、上官から「こういう仕事なんだから、墓くらいはどこかしらべておけ」と言われたらしく、お墓の場所を(母親に)聞いて来た。最近、出港が多くて、訓練も増えている。安保法制成立後に向けた訓練ではないか。息子のほうから、「デモには行かないで」と言われている。もともと息子は国を守りたいという意識で入ったのだけれど、安保法案が成立するとそうではなくなるのではないかと、心を痛めている。

●安保法案には反対。今回の法案のことを彼と話をすることがある。隊の中で、彼が不安なことを口にすると、「そんなことを口にするもんじゃないよ。それがうまい立ち回りの方法なんだから」ということを言われた。政治的な活動も制限されているので、安保法案について議論できるような状況ではないと言っている。退職後の再就職先もなくて、一部の幹部は保障されているが、一般の隊員は30代で退職を余儀なくされても、再就職先は最近もなくて、個々の隊員の将来のことも考えられていないまま、安保法制のことだけが先行していて心配。

●今回の安保法案についてニュースを見ていると、息子が今後、海外で人を殺したり、逆に殺されたりとかしてしまうのではないかと不安である。自衛官の家族で、こういう不安な思いを分かち合う友人や知り合いがいない。自衛隊内には家族会があるが、そこでは意見が合わないし、話しができない。デモにも言っているが、本人に迷惑になるのではないかと心配になってしまう。災害派遣があっても、家族には情報が伝えられていない。もし安保法案が成立して、海外に行くことになってしまっても、そのときに現場の状況は伝えられないだろうから、大変不安である。

●入隊後、34年は本当につらかったが、頑張り、その後、東日本大震災でも5か月も東北に入り、奮闘した。家に帰ってきて、話をする子が、この安保法制については水を向けても話をそらす。結婚を進めるが、給料も安く貯金もないのでできないという。安倍首相には本当に腹が立つ。自分に子供がいないから、この母の苦しみ、心配がわからないのではないか、とさえ思う。

●この法案が通ると派兵される危険もあり、退職を考えているが、再就職では、とても今の収入は維持できないので、定年まで働かざるを得ないと考えている。ついついすぐ派兵されることはなく定年までの間は大丈夫なのではないか、とよいほうに考えてしまうが甘いのだろうか。娘は友達にもどこにも相談できる場所がなく、自分だけが聞き役になっている。婿はとても外部に相談どころではなく、婿も外部との接触が厳しくなっているようで、この78月は休暇で実家に戻る場合でも、どこにいくのか、厳しく報告を求められたようだ。また、家族の「健康調査」と称して、同居もしておらず、妻の親に過ぎない私のことも、報告させられているそうだ。

●孫は高校卒業して入隊したが、今は陸自の補給部隊にいるようだ。孫は「立派な自衛官になりたい」と年賀状に書いてきた。まさか、今回のように海外の戦地に派遣されるようになるとは思わなかった。私の勉強不足で悔やんでも悔やみきれない。自分を責めている。不安で夜も眠れない。私の父は戦場に行き、父の兄弟は戦死している。そんなことになったらと心配している。今は自衛隊をやめてほしいと思っている。ただ、直接連絡とれないので、毎日自衛隊に入隊するのを止めなかったことを後悔している。足が悪いのでデモに行きたいがいけないのが残念。娘(孫の母親)とは、この話を不憫でできない。新聞の記事を見て、自分の声を電話で伝えたかった。

●息子は大学を出る際に、現職自衛官に誘われて自衛隊に入ることになった。自衛隊に入隊する際は国内業務だけという話だったのに、今回の安保法制は納得がいかない。海外に行くことを承知して自衛隊に入ったわけではない。イラク派遣の際には両親に対して「親御さんは、海外に行っていいか転勤してしてもいいか」というアンケートがあったが・・・ちなみに、息子は今回の安保法制について親には何も言わない。安保法制には反対。急にそんなことを言われても困る。

●今回の安保法制もあって、恋人に自衛隊を辞めるようにいっているが、辞めると言いつつも、引き継ぎが云々言って辞める気配がない。自分は今回の安保法制について非常に不安に思っているが、恋人や恋人の周りの自衛官は、自分自身の問題とらえられていないか諦観があるようだ。また、仮に辞めたとしても、ほかの仕事が勤まらないとも考えているようだ。安保法制が衆議院を通ってあら心配になって不眠症になった。安保法制が戦争につながるということが恋人や国民に伝わっていないことについて非常に不安を感じる。

●息子が防衛大学に行っている。今回の安保法制があって、そのまま自衛隊に行っていいものか心配だ。人を殺したり殺されたりすることなるのでは。また、今の情勢からすると、自衛隊の志願者が減ったり現職自衛官が辞めたりするので、自衛隊に入った後で辞められなくなるのでは。防衛大内にも不安に思っている人が多いようだ。今回の緊急電話相談も息子に頼まれて電話した。

●法律で政治的活動が禁止されているため、本当だったら、一番声を上げなくてはならないのが、できなくてもどかしい。主人が危険にさらされている。それなのに他人任せで申し訳ない気持ち。声をあげたくてもあげられない人がいることを伝えたかった。夫は「国益だと信じてやるしかない」と言う。それって、戦争の時代に戦地に向かっていった方々と同じ。夫は「きれいごとでは国は守れない」ともいう。そうかもしれないけれど、その国民の命を守る自衛官も国民だということを考えてほしい。一人一人には家族もあるのに。外国の方の命を奪うことで、本当に平和を守れるのか。

●隊の中にいる娘婿は、「自分は中にいるから不平不満は言えない」と言っている。毎日がとても不安。これからのことが心配でならない。まだ若いし、小さな子供が2人いる。やっとささやかな幸せを得たのに、これでパパを持って行かれたらどうなるか。もし危険な任務に就いたときにどうすればいいのか?帰ってきて自殺する隊員も多いと聞いて不安。もし武器を使用したときに責任を問われることもありうると知った。とても許せない。どうしてこうしたことがまともに議論されていないのか。自衛ではなく、他の国の防衛のために、アメリカとの約束を優先するためという狙いが見え見え。安倍さんも油るせないし、その側近も許せない。国会議員の原点はどこにいったのか。自分の保身しか考えていないのではないか。昔は自民党にも立派な人がいたのに。なんとか廃案にしたい。阻止してもらいたい。自衛官の命を大事にしてもらいたい。戦前、戦中、戦後の苦労を知ると、戦争を許してはならない。憲法9条は本当に大事なもの。

●息子は、「なにかあったらいくつもりでいる」と。「行くしかない」とも言っている。小さい子供が2人いるのに。息子が武器をもって戦うとは思ってもみなかった。これから派遣されると思うと心配。もし人を撃ったときに、メンタルがおかしくなってしまうのではないか。早朝から深夜まで働いている。息子に「やめられないの?」と聞いたが、「やめられない」と。住宅ローンもあって、代わりの仕事も見つけられないだろう。最高裁の元判事まで違憲であると言っているのに、本当に法案は可決されてしまうのですか。どうすればいいのでしょう。

●彼と付き合う前から、私は秘密保護法にも反対していて、デモにも参加したことがあった。付き合い始めて、彼から「そういう政治的な活動からはきっぱり手を引いてくれ」「もしバレたら婚約破棄する。」と言われた。付き合っているだけで、自由がない。「政治的な活動に関わっている人間がいると、出世に差し支える。「不穏分子」と言われる」と言って不安がっている。家族まで表現の自由が制約される。彼は、「中国が攻めてくる」「仕事だ。自分たちの役割は防衛だ。」と思い込んでいる。彼は、自衛官は「精神教育」を受けているといっている。好戦的な著名人の話を繰り返し聞かされている。彼がそのように信じ込まされているのがやりきれない思いがする。脅威を煽り立てるようなやり方が、あまりにも行き過ぎている。

hotline20150915①



hotline20150915②


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